2014年4月7日月曜日

Un paio di pantaloni

Salve!

 イタリア語でパンツ、ズボンのことをPantalone(パンタローネ)と呼びます。
ミラノのどのサルトリアにもPantalonaio(パンタロナイオ)パンツ専門の職人が存在します。



 ベルトとの境に小隠しポケット。小銭や懐中時計を入れていました。



 Pungolo(プンゴロ) ベルトステイループ。ベルトのバックルのピンを通し固定する事により、着用中のベルトのズレを防ぎます。



 天狗と呼ばれる下前の持ち出しをPatta(パッタ)、ファスナーをCerniera(チェルニエーラ)と呼びます。この部分には極めて正確な縫製が必要とされるため、ほとんどが手で縫われます。


 
 裾のダブルの折り返しをRisvolto(リズヴォルト)と呼びます。スミーズラの場合、前部が靴に当たって、生まれるたるみ量、後部の靴の踵にかかる量をふまえ裾ラインに傾斜をつけます。
 それと、Battitacco(バッティタッコ)と呼ばれる靴擦れを裾の内側に縫い付ける事により、靴との接触で生じる生地の消耗を防ぎます。

 アイロンワークから生まれるふくらはぎ、ヒップ部分の凹凸がすごく重要で、横からみたときのS字ライン、バックスタイルでの生地のたるみ、アイロンワークによってパンツの善し悪しが決まります。




 マエストロによる型紙作成、仮縫い後の補正、パンタロナイオの縫製、アイロンワーク、これら全てが一つになり、きれいなラインのパンタローネが完成します。

ミラノのサルト  井上 勇樹